【OTが教える】動かないと足腰はすぐ衰える!「廃用症候群」の予防法と、座ってできる簡単リハビリ体操

リハビリ


こんにちは!作業療法士(OT)のノッポマンです。

「最近、家族が家の中で過ごす時間が増えて、足元がふらついている気がする」
「動くのが面倒くさそうに思えて、このまま寝たきりにならないか心配……」

このようなお悩みはありませんか?

実は、年齢のせいだと思っているその衰えは、動かないことで心身の機能がガクンと落ちてしまう「廃用症候群(はいようしょうこうぐん)」のサインかもしれません。

今回は、作業療法士の視点から、廃用症候群の原因と、今日からテレビを見ながらでもできる「座ったままの簡単リハビリ体操」をわかりやすく解説します!


1. 廃用症候群(生活不活発病)とは?

病気やケガ、あるいは「動くのが億劫だから」とベッドやソファで寝てばかりいることで、全身の筋力や心、脳の機能が衰えてしまう状態を「廃用症候群(または生活不活発病)」といいます。

「少し休んでいるだけだから大丈夫」と思いがちですが、実は人間の体は驚くほどのスピードで衰えていきます。

1日で約1〜3%の筋肉が落ちる:ベッドの上でじっと安静にしていると、たった1日でこれだけの筋肉が失われます。

戻すには数倍の時間がかかる:高齢者の場合、1週間動かないだけで、落ちた筋力を元の状態に戻すまでに数週間〜数ヶ月かかってしまうことも珍しくありません。

だからこそ、放置せずに「今すぐ動かすこと」が何よりも大切なのです。


2. なぜ起こる?周囲の「よかれと思って」が原因になることも

廃用症候群の主な原因には、以下のようなものがあります。

  1. ケガや病気による痛み・長期間の安静
  2. やる気の低下(「外に出るのが面倒」「誰とも話さない」などによる心の落ち込み)
  3. 家族の「やりすぎ介護」

特に注意したいのが、3つ目の「やりすぎ介護」です。
ご家族が良かれと思って「お茶を持ってきてあげるよ」「危ないから座っていてね」と何でも先回りしてやってしまうと、本人が体を動かすチャンス(=大切なリハビリの機会)を奪うことになってしまいます。


3. 【今日から実践】座ったままできる!簡単リハビリ体操(3選)

「立って運動するのは転びそうで怖い」という方でも安心な、椅子やソファに座ったままできる安全な体操です。

⚠️ 体操を始める前の注意点

  • 椅子に座る時は、背もたれから少し背中を離し、足の裏をしっかり床につけましょう。
  • 息を止めず、「1、2、3、4……」と声を出して数えながら行います。
  • 痛みがある場合は絶対に無理をしないでください。

① 太もも上げ(歩くための筋肉を鍛える)

歩くときに段差でつまずかないための、太ももの付け根の筋肉(腸腰筋)を鍛えます。

  1. 椅子にしっかりと座り、姿勢を正します。
  2. 左右の足を交互に、ゆっくりと胸に近づけるように持ち上げます。
  3. 左右10回ずつ行います。

② ひざ伸ばし(立ち上がりを楽にする)

立ち上がるときや、階段を上り下りするときに重要な太ももの前の大きな筋肉(大腿四頭筋)を鍛えます。

  1. 片方のひざを、床と水平になるようにまっすぐ前に伸ばします。
  2. つま先を天井に向けるように意識して、3秒間キープします。
  3. ゆっくり下ろし、反対の足も同様に行います。
  4. 左右10回ずつ行います。

③ かかと・つま先上げ(転倒を予防する)

歩行時のつまずき防止や、第二の心臓と呼ばれるふくらはぎを刺激して足のむくみ解消に効果的です。

  1. 両足の「かかと」を同時にグッと持ち上げ、下ろします(10回)。
  2. 次に、両足の「つま先」を同時にグッと持ち上げ、下ろします(10回)。

4. 体操だけじゃない!「普段の生活」をリハビリに変えるコツ

私たち作業療法士が一番大切にしているのは、リハビリの時間だけでなく「本人が普段の生活の中で、好きなことや役割を持って動く」ということです。

「寝る」から「座る」へ:食事のときは必ずベッドから離れて椅子に座る。これだけで体幹が刺激されます。

家事や役割をお願いする:洗濯物をたたむ、新聞を取ってくる、お皿を拭くなど、少し時間がかかっても本人ができることは任せてみましょう。最高の指先・全身運動になります。

趣味で脳と体を刺激:おしゃべり、園芸、手芸、囲碁など、本人が「楽しい」と思える活動は、最高の脳トレでありリハビリです。


5. まとめ & 困ったときは専門家に頼ろう

廃用症候群は、本人が気づかないうちにゆっくりと進行していきます。

「最近歩くのが遅くなったな」「元気がなくなってきたな」と思ったら、まずは今回ご紹介した体操をテレビのCM中などに1つだけでも試してみてください。

もし「本人がどうしても動きたがらない」「家族だけで支えるのは限界……」というときは、一人で抱え込まずにケアマネジャーや、私たち作業療法士などのリハビリ専門職にいつでもお気軽にご相談くださいね!

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