こんにちは!作業療法士のノッポマンです。
リハビリの現場で、私たちは必ずリハビリを始める前に皆さんの「血圧」を測定します。
「なぜ毎回測るの?」「血圧が高い(低い)と、何が危ないの?」と疑問に思ったことはありませんか?
特に高齢期になると、血管のしなやかさが失われ、血圧が乱れやすくなります。血圧の変動は、私たちの「安全な生活」や「体の動きやすさ」に直結しているのです。
今回は、当事者の方やご家族に向けて、血圧の正しい標準値、血圧が上下したときのサイン、運動するときの注意点、そして毎日無理なく血圧を測るためのコツを、作業療法士の視点から分かりやすく解説します!
1. 知っておきたい血圧の「標準値」
まずは、私たちが目指すべき血圧の基準を確認しましょう。病院とご自宅では目標値が少し異なります。
- 🏠 家庭での目標値: 最高血圧 135mmHg 未満 / 最低血圧 85mmHg 未満
- 🏥 病院での目標値: 最高血圧 140mmHg 未満 / 最低血圧 90mmHg 未満
※75歳以上の高齢者の方や、糖尿病などの持病がある方は目標値が異なる場合があります。まずは「家庭では135/85未満」を目安に覚えておきましょう。
2. 「高血圧」「低血圧」それぞれのサインと日常生活の工夫
血圧が上下したとき、体は小さなサインを出しています。作業療法士がおすすめする生活動作の工夫と合わせてご紹介します。
🚨 高血圧のサイン(自宅で上が135以上)
高血圧は自覚症状が出にくいのが特徴ですが、急激に上がると以下のような症状が出ることがあります。
起きやすい症状: 頭痛(特の後頭部の重い痛み)、めまい、肩こり、動悸
作業療法士のアドバイス:
「いきみ」を避ける: トイレでいきんだり、重いものを急に持ち上げたりすると血圧が跳ね上がります。息を止めずに「吐きながら」動くことを意識しましょう。
ヒートショック対策: 冬場は脱衣所や浴室を事前に暖めておき、お湯の温度は40度前後のぬるめに設定します。
🚨 低血圧のサイン(上が100未満が目安)
全身や脳に十分な血液が行き届きにくくなっている状態です。
起きやすい症状: 立ちくらみ(起立性低血圧)、朝起きられない、体がだるい、手足の冷え
作業療法士のアドバイス:
ゆっくり動く(動作の段階付け): ベッドから起き上がる時は、①まず横を向く、②ゆっくり座る、③少し足踏みをしてから立ち上がる、というように段階を踏みましょう。
ふくらはぎの運動: 「第二の心臓」と呼ばれるふくらはぎを動かす(つま先立ちや、座ったままでの足首の上下運動)ことで、下半身の血液を心臓に戻しやすくします。
3. 血圧の「変動が大きい」ときの運動はどうする?
「日によって、または朝と夜で血圧が大きく変わる」という声をよく聞きます。このような場合、運動(リハビリや散歩など)はしても良いのでしょうか?
💡 結論:運動はとても大切ですが、「血圧が落ち着いている時間帯」に行うのが鉄則です。
血圧の変動が大きい状態で無理に運動をすると、脳出血や心筋梗塞、または急激な血圧低下による立ちくらみ・転倒のリスクが高まります。
【運動をするときの安全ルール】
- 直前の測定を習慣に: 運動する「直前」に必ず血圧を測りましょう。
- 中止の目安: 最高血圧が180mmHg以上、または最低血圧が110mmHg以上あるときは、その日の運動はストップして安静に過ごします。
- 主治医に確認: 変動があまりに激しい場合は、どの範囲なら動いていいか、事前に医師に確認しておくと安心です。
4. 高齢者のご家庭に「血圧計」を1台揃えてほしい理由
高齢になると、自覚症状がないまま血圧が危険な数値になっていることがよくあります。そのため、ご家庭に「家庭用血圧計」を1台用意することを強くおすすめします。
病院やリハビリ室では緊張して普段より血圧が高く出がち(白衣高血圧)ですが、自宅のリラックスした数値こそが本当の健康状態を教えてくれます。毎日のデータを記録しておくと、お医者さんへのお薬の相談もとてもスムーズになりますよ。
※購入される際は、正確に測りやすい「上腕式(腕に巻くタイプ)」がおすすめです。
5. 作業療法士が教える!血圧測定を習慣化させる3つのコツ
「血圧計を買ったけれど、つい測り忘れてしまう…」
そんなお悩みを解決するために、リハビリの現場でも使われている「無理なく毎日の習慣にするためのコツ」をご紹介します。
①「すでに毎日やっていること」とセットにする
新しいことを単独で始めようとすると忘れてしまいがちです。すでに生活の一部になっている行動の「直後」に血圧測定を組み込みましょう。
- 「朝起きて、トイレから出たら測る」
- 「朝、淹れたてのコーヒーを机に置いたら測る」
② 血圧計を「出しっぱなし」にする(環境調整)
測り忘れる最大の原因は、血圧計が箱や棚の中に片付けられていることです。出す手間が多いほど面倒になります。血圧計は片付けず、毎日必ず座る椅子の近くや、リビングのテーブルの上に「出しっぱなし」にしてください。視界に入るだけで強力なリマインダーになります。
③ ご家族からの「魔法の声かけ」
ご家族が「血圧測った?」と確認することは大切ですが、聞き方によっては催促されていると感じてしまうことも。「今日のお父さんの数値はいくつだった?いつもと変わりない?」と、体調を気遣う質問の形で声をかけてみてください。「心配してくれているんだな」と感じられると、測るモチベーションがグッと高まります。
まとめ
血圧は、私たちの「安全な生活」を守るための大切なバロメーターです。
特に高齢期は、ご本人だけでなくご家族も一緒に血圧の変化に目を配ってあげることが、大きな病気の予防につながります。
私たち作業療法士は、リハビリだけでなく「どうすれば無理なく安全に毎日の生活を送れるか」という工夫を一緒に考えています。まずは毎朝、起きてトイレを済ませた後に血圧を測ることから始めてみませんか?
安全で快適な毎日を過ごすために、できることから少しずつ工夫していきましょう!


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