こんにちは!作業療法士のノッポマンです。
健康診断や病院の診察で「不整脈がありますね」と言われ、ドキッとした経験はありませんか?
「これから運動はしていいの?」「普段の生活で何に気をつければいいんだろう……」と不安になる方も多いと思います。
リハビリテーションの専門職である作業療法士(OT)の視点から、不整脈の基本から、日々の生活を安全に・安心して楽しむための具体的な工夫や運動のコツを分かりやすくお伝えします!
1. そもそも不整脈ってどんなもの?
不整脈とは、一言でいうと「心臓の拍動リズムが乱れた状態」のことです。
正常な心臓は、安静時に1分間で約60〜100回、規則正しく脈を打っています。
不整脈は、その乱れ方によって大きく3つのタイプに分かれます。
- 頻脈(ひんみゃく): 脈拍が1分間に100回以上と、異常に速くなる状態。
- 徐脈(じょみゃく): 脈拍が1分間に50回未満と、異常に遅くなる状態。
- 期外収縮(きがいしゅうしゅく): 規則正しいリズムの途中で、脈が「飛ぶ」ように一瞬不規則になる状態(不整脈の中で最も多いタイプです)。
2. 不整脈があるとどんな症状が出る?
不整脈の症状は、脈の乱れ方によってさまざまです。中には「全く症状がない(無症状)」というケースもありますが、代表的な症状には以下のようなものがあります。
- 動悸(どうき): 胸が「ドキドキする」「ドクンと大きく跳ねる」「胸の中で鳥が羽ばたいているようにザワザワする」
- めまい・立ちくらみ: 脳に送られる血液が一時的に減ることで、「頭がスーッと軽くなる」「目の前が暗くなる」
- 息切れ・疲れやすさ: 心臓のポンプ機能が落ちるため、少し動いただけで「ハァハァと息が切れる」「体がだるい」
- 胸の不快感: 胸が「締め付けられるような違和感」や、なんとなくすっきりしない鈍い痛み
⚠️ こんな症状はすぐに受診を!
「気が遠くなるようなめまい」「失神・意識の消失」「強い胸の痛み」がある場合は、血圧が維持できなくなっている危険な不整脈のサインかもしれません。すぐに医療機関を受診してください。
3. 不整脈が起こる原因は?
心臓は「微弱な電気信号」によって動いています。この電気の通り道や発生源にトラブルが起きることで不整脈が発生します。
主な原因には以下のものがあります。
- 加齢: 年齢を重ねることで、心臓の電気システムが徐々に変化します。
- 心臓の病気: 心筋梗塞や心筋症など。
- 生活習慣・ストレス: 睡眠不足、過度な飲酒、喫煙、カフェインの摂りすぎ、精神的なストレスや過労が引き金になります。
4. 自宅でできる!正しい「脈の測り方」とセルフチェック
「自分の脈がどうなっているか知りたい」と思った時、特別な機械がなくても、自分の手で簡単に脈を測ることができます。リハビリの現場でも私たちが最初に行う、基本の測り方(手首での検脈)をお伝えします。
📌 正しい脈の測り方(3ステップ)
- 座ってリラックスする: 測る前は5分ほど座って、息を整えましょう。
- 指をあてる: 手のひらを上に向けます。反対側の人差し指・中指・薬指の3本の腹を、親指の付け根の骨の内側(脈が触れるところ)に軽くあてます。
- 時間を測る: 時計を見ながら、1分間の脈拍数を数えます。

⚠️ ここをチェック!
- 回数: 1分間に「60〜100回」の範囲に収まっているか。
- リズム: 「トントン、トントン」と規則正しく打っているか。「トン、トトッ、トン」と飛んだり、バラバラになっていないか。
💡 OTからのワンポイント:
脈を測る時は「親指」を使わないようにしましょう。親指自体に通っている強い脈を、自分の手首の脈と勘違いしてしまう原因になります。最近は手軽なスマートウォッチや、指先を挟むだけの「パルスオキシメーター」を使うのも数値が見えやすくておすすめです。
5. 作業療法士が教える!生活上の注意点と工夫
不整脈とうまく付き合うためには、心臓への急激な負担を避け、自律神経を安定させることが大切です。
- 急な動作や姿勢の変化に注意: 急に立ち上がると心臓に負担がかかります。朝ベッドから起き上がる時は、一度横を向き、ゆっくり体を起こして足をおろすなど、「ワンテンポ置く」動きを意識しましょう。
- お風呂での「ヒートショック」対策: 寒い脱衣所から熱いお湯に入ると、血圧が乱高下して不整脈を誘発しやすくなります。脱衣所や浴室を事前に暖めておき、お湯の温度は40度前後のぬるめに設定しましょう。
- 嗜好品との上手な付き合い方: アルコールやカフェイン、タバコは心臓を興奮させます。お酒は適量を守り、コーヒーや緑茶が好きな方は、デカフェ(ノンカフェイン)の飲料を生活に取り入れるのもおすすめです。
6. 不整脈がある人の「安心運動ルール」
「心臓が心配だから」と全く動かないでいると、かえって体力や心臓の機能が低下してしまいます。主治医から運動制限を受けていなければ、適度な運動はむしろ推奨されます。
- まずは「主治医の許可」を得る: 不整脈の種類によってできる運動の強さは全く異なります。必ず主治医に「どれくらいの運動なら大丈夫か」を確認してください。
- 「きつさ」の目安は『やや楽〜ややきつい』: 息が切れておしゃべりができないほどの激しい運動(息を止める筋トレや全力疾走など)は避けましょう。ウォーキングやストレッチなど、「笑顔でおしゃべりが続けられる程度」の有酸素運動がベストです。
7. 【重要】運動をすぐに中止すべき「赤信号の症状」
運動中や運動のあとに以下のような症状が一つでも現れた場合は、すぐに運動を中止して椅子や横になれる場所で休憩してください。これらは心臓からの「これ以上負担をかけないで」というサインです。
- 胸の異変: 胸が締め付けられる、圧迫感がある、痛む
- 強い動悸: ドキドキが急に激しくなる、脈が完全にバラバラになる
- 呼吸の苦しさ: いつも以上の息切れ、ハァハァして声が出せない
- 頭の症状: 目の前が暗くなる、急なめまい、立ちくらみ
- 全身の症状: 急激な疲労感、冷や汗が出る、顔色が青ざめる
💡 休憩しても治まらないときは?
運動をやめて10〜15分休んでも症状が治まらない場合や、一時的に意識が遠のいた場合は、我慢せずすぐに医療機関に連絡するか、救急車を要請してください。
8. まとめ:自分らしい生活を続けるために
不整脈は正しく知り、生活習慣を整えることで、過度に恐れることなくこれまでの生活を続けることができます。
私たち作業療法士は、あなたが「やりたい活動」や「運動」を安全に、安心して続けられるよう、生活の送り方や環境の調整をお手伝いしています。不安なことがあれば、いつでも病院のスタッフやリハビリ職に相談してくださいね。


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